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新型コロナ感染症が5類になるとどうなる?

 

最初に

 

新型コロナウイルスの発生から3年余りが経ち、政府は、新型コロナウイルスの感染法上の分類を5月8日から、「2類」相当から季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げると決めました。

 

感染者の外出自粛やマスク着用、医療機関への受診など、これまでと対策が大きく変わります。

 

これからの私たちの生活がどのように変わっていくのかをまとめてみました。  

 

 

行動制限は解除され、感染リスクは高くなる

まず、5類の方が数字は大きいですが、感染症の扱いとしては格下げになります。つまり、国民にとっての脅威としては低いものとして扱うことになるのです。

 

  • ご家族の濃厚接触者も行動制限がなくなる。

 

  • 自治体が患者数などを把握することがなくなる。

 

  • 各医療機関が患者数を自治体等に報告することがなくなる。

 

  • 新型コロナ感染症と診断されても、仕事に出勤出来る。

 

 

マスクの着用はどう変わるの?

現時点では、他の人との距離が2メートル以上空けられない屋内や交通機関の中などではマスクの着用が推奨されています。

 

政府は1月27日に開いた新型コロナウイルス感染症対策本部で、マスクの着用は5類への移行後は、「個人の判断にゆだねることを基本」とする方針を決めました。

 

今後、国民に対し、マスクの着用に効果が期待できる場面などを周知していく予定です。

 

子どもについては、マスク着用が発育や発達を妨げないよう、配慮が必要だとしています。

 

新型コロナウイルスは、インフルエンザと同じ呼吸器感染症です。

 

しかし、つばなどのしぶき(飛沫〈ひまつ〉)で主に感染が広がるインフルエンザとは異なり、飛沫に加えて、もっと微小なエアロゾル(マイクロ飛沫)で感染が拡大します。

 

このため、マスクを正しく着用することによって、感染を防ぐ効果がかなりあることがわかっています。

 

自分の周りの混雑具合、その場所における新型コロナウイルスの流行状況、自分が感染した場合に重症化するリスク、家族に感染を広げてしまった場合のリスク、マスクによって表情が分かりにくくなって意思疎通がしにくい、息苦しくなる、顔の皮膚がかぶれるといったマスクの弊害など、マスクをするプラス面とマイナス面のバランスを考え、着用するかどうか判断する必要性があります。  

 

感染の疑いがある場合の検査や診療は?

政府は、医療体制については5類移行後に一気に変えるのではなく、段階的に移行させるとしています。

 

将来的には、季節性インフルエンザなど他の5類感染症と同じように、指定を受けた医療機関だけではなく、どの医療機関でも診療できるようになります。

 

すでに当院でもコロナになってから発熱や咳などの簡易的な症状でも、上新庄を中心に東淀川区にお住まいの方の来院が増加し続けています。

 

ただし、診療するかどうかは各医療機関の判断にゆだねられているので、実際にすべての医療機関が新型コロナウイルス感染症を診療するかどうかはわかりません。

 

これまでは、医療機関を受診したい場合には、自治体が指定する「発熱外来」に予約を入れて受診することになっていました。

 

5類移行後は、発熱外来が無くなるため、季節性インフルエンザ同様、自分でどの医療機関に行くか選べるようになります。

 

入院治療が必要な感染者については、これまでは主に自治体が新型コロナウイルス感染症用に確保していた病床のある病院が受け入れており、入院先の調整は主に保健所が担ってきました。

 

今後は、特定の病院だけでなく幅広い病院が入院患者を受け入れられるようになり、入院先の調整は医療機関が調整するよう変わっていく見通しです。

 

ただし、入院治療についても、受け入れるかどうかは各病院の判断に委ねられるため、受け入れ病院が増えるかどうかは不明です。

 

しかも、これまで新型コロナウイルス感染症の治療をする医療機関に対しては、診療報酬や病床確保料の支払いなど、金銭的な優遇措置が取られてきました。

 

それが段階的に無くなっていくため、現状よりも新型コロナウイルスを診療する医療機関が減るのではないか、という懸念の声も出ています。  

 

 

感染者数・死者数は増えるのではないかと懸念する声も

今後の感染者数や死者数は、新型コロナウイルスの病原性に変化がないと仮定した場合、どちらも増加するのではないでしょうか。

 

2類から5類に引き下がったからといって感染力や致死率が下がるわけではありません。

 

第8波では弱毒化して病原性や致死率も下がりましたが、そうであるにも関わらず死者数は過去最多となっています。

 

若く元気な方は軽症だったとしても、高齢者や基礎疾患のある方にとっては脅威であること、行動制限が緩和され軽症感染者が増えたことで高齢者や基礎疾患のある方への感染も増えたことが死者数の増加と考えられます。

 

5類に変更して扱いが低くなれば軽症感染者はさらに増加するでしょう。また、ワクチンが有料になって診察料も高くなれば、ワクチン接種もせずに診察や検査を受けない方が増えるのではないでしょうか。

 

ワクチン接種が重症化を予防できていて、コロナの検査で陽性者を確認し行動制限していた事が感染拡大予防に役立っていたのであれば、5類になる事によって軽症の隠れ陽性者が増え、重症化する方が増えるということになります。

 

 

最後に

これまで原則として感染者は7日間、濃厚接触者は5日間、外出の自粛が求められていました。

 

5類に移行すれば、外出の自粛要請は無くなります。ただし、他の感染症の場合と同様、発熱しているなど症状のある場合には、重症化や後遺症を防ぎ、周りの人に感染を広げないように、療養することが望ましいと考えられます。

 

発熱、のどの痛み、せき、鼻水等の新型コロナウィルス感染症や季節性インフルエンザ等が気になる方は、是非お気軽に東淀川区のゆうメディカルクリニックへご来院ください。

 

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投稿者プロフィール

HINAKO
お身体の健康について情報発信をしていきます。
出身地:大阪市 東淀川区 上新庄
得意分野:脳神経外科、整形外科
納得と安心を与え、地域で信頼され愛されるように日々研鑽しています。

2023年2月13日