おなかが弱い人
普段から便秘や下痢などの便通の異常とともにおなかの痛みや不快感に悩まされている方はいませんか。このような俗にいう『おなかが弱い人』の多くは過敏性腸症候群といって、内視鏡検査で器質的な異常がないにもかかわらずおなかに不快な症状を起こす疾患です。比較的若い人や女性に多く、年齢とともに減ってくることがわかっています。命に関わる病気ではありませんが、お腹の痛み、便秘・下痢、不安などの症状のために日常生活に支障をきたすことも少なくありません。過敏性腸症候群になる原因は、ストレスや食生活などによるものと諸説ありますが、今のところ原因はよくわかっていません。通常、腸の運動や知覚は自律神経を介して脳との情報交換により制御されています。過敏性腸症候群の患者さんでは、脳から腸に向かう信号と腸から脳に向かう信号の両方が強くなっているといわれています。ストレスにより脳から腸に向かう信号が強くなり、消化管運動の異常が生じ、知覚過敏になった腸から痛みや不快感を感じやすくなるなど悪循環になっています。
過敏性腸症候群には便秘型、下痢型、その両方の症状のある混合型があります。以上のような症状のある方には、まず食生活や生活改善の見直しをする必要がありますが、当クリニックでは、その症状に合わせた薬も処方させていただきます。ただし、診断確定のためには、大腸がんなどの悪性疾患や炎症性腸疾患などがないことを確認する必要があります。これらの疾患が疑われるような、血便や発熱、体重減少などがある場合、また50歳以上の患者さん、家族に大腸の病気にかかった方がいる患者さんなどに対しては、まず大腸内視鏡検査をお勧めします。
当クリニックでは鎮静剤による麻酔を使用し、苦痛なく大腸内視鏡検査を受けれるように努めておりますので、おなかの調子が悪い方はぜひ一度来院してみてください。
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